英語学習を通じで実際に脳にどのような影響がもたらされるのか、どのようなメリットがあるのかと疑問に思ったことがあるかと思います。
今回は、私が実際に大学の授業で扱った論文や最新の研究に基づいて、英語学習が脳にどのような影響をもたらすのかをご紹介できればとおもいます。
- 英語学習によって脳に与えるメリットがわかる
- バイリンガルとモノリンガルの脳の仕組みが理解できる
英語学習が脳に与える2つのメリット
これから、英語学習をすることで脳にどのようなメリットをもたらすのかご紹介できればと思います。
特に、バイリンガルとモノリンガルの方たちを比較してなぜ、バイリンガルであることでメリットがあるのかを説明できればと思います。
1. 脳を活性化して認知機能を最大限に高める
バイリンガルであることが脳の認知機能を高めることは世界的にも証明されております。
実際に第二言語を話すバイリンガルの方が第一言語しか話さないモノリンガルに比べて脳の実行機能といわれるものが活性化されて優れているといわれています。 実行機能とは簡単に言えば注意力や抑制力、作業記憶に関わる機能のことです。また、モノリンガルに比べてバイリンガルの方が認知機能が高いと証明されています。
この理由としては、バイリンガルがモノリンガルに比べて脳の使い方に違いがあるからです。実際に私自身が大学の認知心理学の授業で扱った論文でも結果が証明されています。こちらの論文(参考:bilingual-minds )を参考にしているので興味ある方は参考にしてみてください。
まず、バイリンガルとして第二言語を使ってしゃべるとき、第一言語と第二言語の二つの言語が脳内で活性化していて、使いたい方の言葉を選び、使わないもう一方の言語の生成を抑制してます。例えば、日本人で第一言語が日本語で第二言語が英語であり、英語をしゃべる際に脳内で英語の言葉を考えており日本語の生成を抑えています。
そして、上記のような必要な情報(英語)だけをとりだし、必要ない情報(日本語)を抑制する活動が脳の実行機能といわれる部分を活性化させています。つまり、脳内で使いたい言語によって何度もスイッチを切り替えていることが脳の特定の部分を活性化させているということです。
その結果、実行機能に関わる注意力や抑制力といった認知機能が鍛えられているということになります。
このように認知機能を高めることで、日常生活において余計な情報や雑音などに注意をそらされることなく自分の行動を抑制したりして物事に集中することができます。
また、他の論文ではバイリンガルであることで記憶力やその他の認知能力を高めるということも研究で証明されています。
結論としては、英語を習得してバイリンガルになることで集中力や注意力、記憶力といった認知機能を高めてくれます。また、英語に限らず第二言語でも問題ないので、言語を習得することは脳にとても多くのメリットをもたらしてくれます。
ただ気を付けてほしいのは、インプットだけの学習はできるだけ避けたほうが良いです。習った単語を思い出したり、文章を考えたり、しゃべったり会話することがとても大事です。初めの説明の通り、英語の単語や文章を考えたり、脳から情報を取り出すことで脳が活性化されますので、インプットしたり受け身型だけの学習はなるべく避けましょう。
2. アルツハイマー病の予防ができ発症を遅らせる
結論として、最近の研究ではバイリンガルの方がモノリンガルの方たち比べてアルツハイマー病の進行を3~5年遅らせることが出来ると証明されています。こちらの内容に関しても初めの参考文献の論文にエビデンスが載っております。
なぜ、アルツハイマーの発症を遅らせることができるのかメカニズムを説明できればと思います。
前提として、脳の実行機能と呼ばれるものは幼少期から若い成人の間までに発達して効果が増加していきます。そして年を取るにつれて機能が低下していきます。冒頭で説明した通り実行機能とは、注意力や抑制力、あるは作業記憶などに関わる認知機能の一部になります。
ただ、第二言語を学ぶことで実行機能を鍛えることができてその結果実行機能の衰えを遅らせてくれます。
したがって、結果的にアルツハイマーや認知症など脳における病気を遅らせて予防することができます。
バイリンガルであることで脳の機能を高めてくれるだけでなく健康に関するメリットも与えてくれるということになります。
まとめ
今回は、英語学習及びバイリンガルであることで脳にもたらすメリットを紹介させていただきました。
バイリンガルであることでのメリットとしては下記にまとめさせていただきます。
- 注意力、抑制力、記憶力といった認知機能が改善される
- アルツハイマーなどの認知症予防につながる
言語を習得することでおおくのメリットが得られることは間違いないので、すでに学習している方は引き続き学習しましょう。また、興味持った方は是非語学学習を初めて見てください。